親知らずは十代後半くらいからお口の一番奥に生えてくる歯です。何の問題もなく生えてくれば、将来、自分の歯を失ったときに移植するといった活用方法もあります。しかし、智歯(ちし)とも呼ばれるこの歯は、昔の人と比べて顎の小さくなった現代人にはやっかいな歯であるといえます。まっすぐ生えてくるスペースが足りないために横向きに生えたり斜めに生えてきたりして周囲の歯や神経を圧迫するなど、さまざまなトラブル引き起こすことがあるからです。こういった症状がある場合には、親知らずを抜歯することになります。
親知らずが生えてきて何らかの違和感があるようでしたら、まずは口腔外科治療も可能な当院へご相談ください。
できることなら抜歯せずに治療ができればよいのですが、残しておくことで周囲の健康な歯やお口の中に悪影響を及ぼすようなら、抜くことが最善と判断されます。特に親知らずはトラブルを招きやすい歯であるため、多くのケースで抜歯されることがあります。次のような問題がある場合は、抜歯の必要があるとお考えください。
親知らず抜歯後の注意点
親知らずを抜いたあとは、痛みや出血がありますが、通常2~3日で治まります。抜歯後は次のような点に注意し、安静に過ごしましょう。もし、痛み・出血が止まらないようでしたら、歯科医院へ相談しましょう。
- 治療後は痛み止めと抗生物質が処方されます。歯科医師の指示に従い、適切に服用してください。
- 麻酔が切れるまではお口の感覚が鈍くなっていますので、口腔内を噛まないよう注意しましょう。
- 痛くても冷やしすぎるのは、かえってよくありません。
- 抜歯した穴に血の塊ができます。組織を再生し治癒に役立つものですから、うがいなどで流してしまわないようにしましょう。
- 抜歯当日は、入浴、サウナ、激しいスポーツ、飲酒などの血行がよくなることは控えましょう。出血が止まらなくなるおそれがあります。
- 抜歯後の穴は清潔を保ち、指や舌でさわらないようにしましょう。
成人の患者さんが多く、なかでも女性の割合が多い「顎関節症」。顎やその周辺に生じる不具合です。虫歯・歯周病などのお口の病気だけでなく、顎関節を含むお口周辺のお悩みは、口腔外科治療が可能な当院へご相談ください。
顎関節とは、顎と頭をつなぐ関節のことを指します。耳の前側に指を当てて口を開くと、顎関節が動くのが確認できます。次のような症状は代表的なものであり、当てはまるものがあれば、顎関節症であると考えられます。
口が大きく開けられない 閉じられない (指3本が縦にして入らない) |
口を開けるときに顎から音が鳴る (ガクッ・ミシミシ・カクカクなど) |
顎や周辺に痛みがある (口を開けると痛い・何もしなくても痛いなど) |
顎関節症の原因にはさまざまなことが考えられますが、噛み合わせの問題、生活習慣の問題、ストレスなど心理的な問題があげられます。「こういう症状があるから、原因はこれ」とはっきりいえないほど、いろいろな原因が複雑に関係しています。
噛み合わせの問題 | 歯科治療による噛み合わせの乱れ 不正咬合など歯列の乱れ アンバランスな顎の成長 |
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生活習慣の問題 | 猫背などの姿勢の悪さ 就寝時の悪い姿勢(うつぶせ寝・横向き寝) 運動不足、もしくは運動過剰 片側ばかりで噛む習慣 顎や口を使った楽器演奏 硬い食品の噛みすぎ |
ストレスなど心理的な問題 | 強いストレスによる歯ぎしりや食いしばり 顎や口腔内の日常的な緊張 |
顎関節症の治療
顎関節症の治療では、問診や触診、レントゲン撮影、歯型採取などを通して噛み合わせに問題がないかを検査するだけでなく、無意識に行っている悪い習慣がないかなど、さまざまな角度から原因を割り出し、最適な治療法を検討します。
スプリント療法 | 噛みしめたときの顎への負荷を軽減したり、噛み合わせを正しい位置へ誘導したりするマウスピースのような装置を用いる治療法です。眠っているときに歯ぎしりがある場合は、就寝時に使用していただきます。 |
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マニピュレーション療法 | 顎関節にある「関節円板」の位置に異常がある場合、手で正しい位置へ修正します。突発的に口が開かなくなるなど、顎の不調が出た場合はマニピュレーション療法を採用することがあります。 |
噛み合わせ調整 | 補綴(ほてつ)・修復治療など歯科治療の技術を応用して噛み合わせの乱れを調整します。詰め物・被せ物の調整のほか、外科的手術が必要となるケースもあります。 |